馬とアナ。#1

馬とアナ。#1

引退馬×SDGs#1

 「ひとりでも多くの方に知っていただきたいですね!」

このフレーズはとても便利な言葉で、私は仕事中によく使っています。

 私はフリーのアナウンサーとして仕事をして13年目となります。

ラジオがベースなので、生放送や収録番組ではニュースの抜粋や街のイベントなどを告知をするわけですが、とにかく最後にこの言葉を使えば、その話題を締めることができます。言葉に詰まればこの言葉…と言ってもいいかもしれません。

 しかし、これを繰り返すうちに、この言葉を多用することに抵抗感を抱くようになりました。私のこのワンフレーズで本当に知ってくれて、イベントならば、実際に足を運んでくださる方は、果たしてどれくらいいるのでしょう。

 2017年10月、私は出産や育児で、仕事はかなりスローペースな時期でしたが、当時、東京で暮らしていた私は、東京競馬場で開催される「サンクスホースデイズ」でのトークショーのMCをさせていただく機会をいただきました。岡山県吉備中央町の山本雅則町長と、吉備高原サラブリトレーニングの西崎充郎さんと、引退した競走馬のセカンドキャリア支援のために、ふるさと納税をPRする内容です。

 これが、私と引退馬支援の出会いとなりました。

2017年10月 東京競馬場にて。

 走ることができなくなった馬が、次の人生を歩める可能性は低く、「死」という選択肢が多いことに衝撃を受けました。そもそも、引退した競走馬のセカンドキャリアを考えるというテーマそのものが、私には衝撃的でした。

なぜなら、人だったらどうでしょうか?

定年退職をして、第2の人生を過ごす会社勤めの方は多いですし、スポーツ選手が現役を引退したら、次なるステージで仕事をすることは当たり前のことですね。

 今年の春から、吉備高原サラブリトレーニングの西崎純郎さんと、「新しい馬文化を創造する」を大きなテーマに掲げて、馬の話題をお伝えするラジオ番組をお届けしています。

私は、これまで引退馬のリトレーニングに尽力してこられた方々の思いや期待、希望の一端に触れて、今、120パーセントの気持ちで迷いなく、ひとりでも多くの方に知っていただきたいのです。

 そして、馬と人の新しい文化の創造を、より現実のものにしていくために、最近よく耳にするようになったSDGs (持続可能な開発のための目標)17のゴールとの関連もはずせません。

 馬もそうですが、人間以外の動物や植物は、一般的には言葉を喋りません。

ですが、それらの存在があってこそ、私たち人間は生きてこられました。動物や植物、または50年、100年先を生きる人にとって「これはどうなのだろうか?」と考える軸を持つことは、SDGsへの取り組みにおいて重要なことです。私たちは相手が人の場合には協調性をもちますが、相手がそうでない場合には、圧倒的に強い立場で判断をくだしていることに、ふと気がつきます。人間にとってどうなのか…ばかりが判断基準です。これまでの価値観を見直し、新しく価値観に作り変えるために、「馬」が大きな役割を果たす可能性があるように感じます。いくつか理由を探ることができそうですが、何より大きな理由は、馬がいたから育めた人の文化があることです。

そしてそれが、=引退競走馬のセカンドキャリアの創出に繋がります。

 さて、ここまでとても壮大に、難しい言い方をしてしまいましたが、実は私は乗馬の経験は数回ですし、ニンジンを食べさせてあげることもまだ必死なことを打ち明けますね!馬との関係は未熟ですが、こんな私にも、こうして“発信する”という、すぐにできる引退馬支援があります。

 人と馬はもちろん、自然や動物、立場や年齢の違う人同士も全ては、お互いにパートナーです。それぞれに、すぐにできる支援(関わり方)があると思うのですが、その大切な最初の一歩が、知っていただくことだと考えます。

引退馬支援!ひとりでも多くの方に知っていただきたいのです!

#SDGs #ゴール17番パートナーシップで目標を達成しよう #馬とアナ。


吉備高原にて、初めての乗馬は引退馬のグラッツィア!

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